不動産の所有者の「住所変更登記」を申請しなければならないケースとは
不動産登記記録には、その不動産の現在の所有者が記録されていますが、所有者が転勤や引っ越しなどをした場合、登記記録上の住所と、現在の住所が一致しなくなってしまう場合があります。
住民票を異動しても、不動産登記記録の住所が自動的に変わるわけではありませんので、登記記録上の住所を現住所に変更するためには、住所変更の登記を申請しなければなりません。
住所変更の登記申請を自分でやってみようと思った理由
私が所有している不動産についても、登記記録に記載されている住所と現在の住所が異なる状態になっていましたが、不動産を売却するなどの事情がなければ、住所変更登記をしていなくても特に不都合はないと考えていました。
しかし、不動産登記法の改正により、令和8年4月1日から住所変更の登記が義務化されることになり、正当な理由なく住所変更登記の申請義務を怠った場合は、5万円以下の過料の適用対象となりました。
義務化されるまでにはしばらく時間の猶予もありますし、登記名義人の住所変更登記を申請することにより不利益を受ける利害関係人がいることは考えられないため、住所変更の登記申請を自分でやってみることにしました。
住所変更登記を申請するために必要な書類と費用について
登記申請書
登記申請書については、法務局のホームページに申請書様式が掲示されておりましたので、そちらから様式をダウンロードしました。
また、たいへんわかりやすい手続きの案内や記載例も掲示されていましたので、これらを参考にしながら登記申請書を作成しました。
登記申請書を作成するにあたっては、住所変更申請をする不動産の登記記録を用意しておくと、スムーズに作成することができると思います。
住民票の写し、または戸籍の附票の写し
住民票の写し(市区町村が発行した証明書の原本)には、登記記録上の住所と現在の住所が記載されているものが必要です。
私の場合は、登記記録上の住所から3回引っ越ししているため(日野市→名古屋市→国立市→立川市)、住民票の写しを用意しても、ひとつ前の住所から現住所へ移転した記録しか記載されておらず、登記記録上の住所(日野市)から現在の住所(立川市)へ住所移転した経緯が証明できません。
そのような場合には戸籍の附票の写し(本籍地の市区町村で発行)を取得し、登記記録上の住所から現在の住所へ移転した経緯を証明します。
本籍地の市区町村が遠方の場合には、戸籍の附票の写しを郵送で請求することもできますので、時間に余裕があれば郵送請求も検討しましょう。
登録免許税(収入印紙)
住所変更の登記申請には、登録免許税を納付する必要があります。
私の場合は、収入印紙を登記申請書と併せて提出(納付)しました。
収入印紙は郵便局でも売っていますが、法務局には収入印紙売り場があるので、申請するときに購入してもよいと思います。
登記申請書等を法務局へ持参し窓口へ提出
郵送する方法でも登記の申請はできるようでしたが、法務局の窓口に登記申請書等を持参して申請しました。
手続きに不慣れな私としては、窓口の方と二言三言、会話をすると安心します。
申請書類に不備がなければ、2週間後に登記が完了するとのことでした。

登記完了証を受領するため法務局窓口へ
登記完了予定日には法務局へ行けませんでしたが、登記完了予定日から数日後に法務局へ行ってきました。
ちょうど正午くらいの時間になってしまったので、「もしかしたら昼休みで少し待たされるかな」と思ったのですが、すぐに対応していただき登記完了証を交付してもらいました。
登記申請書に特に不備はなかったようで、無事に住所変更登記は完了したようです。
登記を申請したときに受け取った用紙と引き換えに登記完了証を受領しましたが、特に認印や身分証明書は必要ありませんでした。
まとめ
住所変更の登記申請書については、法務局のホームページを参考にして作成すればそれほど難しくないと感じました。
しかし、不動産の売却予定などがある場合などは、申請書類に不備があって決済日までに住所変更登記が間に合わなかったり、登記手続き中のため不動産登記記録の閲覧ができなくなってしまったりすることも考えられますので、司法書士などの専門家に任せることをおすすめします。