マンションの管理費が急上昇!?マンション購入前に知っておきたい管理費のこと

マンションを購入した場合、そのマンションを所有している期間は毎月支払わなければならない費用のひとつに「管理費」があります。

近年、その「管理費」が急上昇していることをご存じでしょうか。

今回は、マンションの管理費と、マンション選びの際に知っておきたい注意点についてご紹介します。

目次

マンションの管理費とは、共用部分を維持・管理するために毎月支払う費用のこと

分譲マンションの場合は、一棟の建物が複数の部屋に区分され、各部屋を個人や法人が所有する建物形態になります。

その性質上、一棟の建物には各部屋以外の共用部分(エントランス・共用廊下・エレベーター・非常階段・ごみ置き場・駐車場・自転車置き場・集合ポスト・バルコニー・玄関ドア・窓枠・窓ガラスなど、おおよそ各部屋の外部及び外部と一体となっている部分)があり、これらの共用部分を清掃したり点検したりするための費用や人件費を「管理費」で負担しています。

なお、バルコニー・玄関ドア・窓枠・窓ガラスなどは、共用部分ではあるけれども各部屋の所有者が「専用使用」できる部分であり、各部屋の「専有部分」とは異なります。

同じマンション内であれば、専有面積が広いほど管理費は高くなる

マンション一棟全体の管理費を、各部屋の所有者がどのような割合で負担するかについては、それぞれのマンションの管理規約に定められています。

そして、ほとんどのマンションの管理規約には、「管理費及び修繕積立金の額については、各区分所有者の共有持分(専有部分の床面積の割合による)に応じて算出する」となっています。

つまり、同じマンション内で、専有面積50㎡の部屋と100㎡の部屋があった場合、100㎡の部屋の管理費は50㎡の部屋の管理費の2倍になります。

一般的には広い部屋のほうが好まれるかもしれませんが、広い分だけ管理費及び修繕積立金の負担は増えます。

自分に合った広すぎない部屋を探すというのも、将来の維持管理費を考えるうえで大切になってくるのではないでしょうか。

マンションの維持管理をめぐるトラブルが増加、その背景にはマンション管理費の値上がりがある

近年の物価や人件費の高騰は、マンション管理費の値上がりにも影響を及ぼしています。

不動産コンサルティング企業のさくら事務所が、都心の大手ディベロッパーのマンションを調査したところ、17年から23年までの7年間で新築マンション管理費の平均値が3割も値上がりしたそうです。

マンションの清掃や点検などの管理については、マンションの管理組合から管理会社に依頼して任せているケースが多いのですが、管理会社を費用の安いところへ変更しようと思っても、どこも値上がりしているとなれば変更も容易ではありません。

今後も物価や人件費の高騰が続くようであれば、さらにマンション管理費は値上がりすると想定しておかなければならないでしょう。

管理費を節約しすぎると、マンション全体の資産価値を下げる可能性もありうる

「マンションは管理を買え」という言葉を聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれませんが、良いマンションを見極めるひとつの基準が「管理の良さ」です。

エントランス部分の清掃が行き届いておらずチラシが散乱していたり、管理人がいつも不在のために飛び込みの営業マンが建物内へ自由に出入りできるようなマンションは、あまり良いマンションとは言えません。

管理費の上昇を抑制するために、今までは「9:00~17:00」まで管理人さんが出勤していたところを「午前中のみ」に変更したり、「週5日」出勤していたところを「週2日」に減らしたり、管理人さんの勤務時間を短くして調整しているケースも多く見受けられるようですが、管理費を節約しずぎてマンション全体の資産価値を下げるようなことがないように注意することも必要だと思います。

管理費の値上げ予定があるかについては「管理にかかる重要事項調査報告書」をチェックする

「管理にかかる重要事項調査報告書」とは、マンション全体および調査対象戸の管理に関する情報が記載された、主に管理会社が発行する調査報告書のことです。

その調査報告書には、マンション管理組合の定期総会で決議された「管理費の値上げ予定」があるかについての記載も含まれています。

また、定期総会で可決されていなかったとしても、定期総会で値上げを話し合っているということはありますので、「定期総会議案書・議事録」や「長期修繕計画書」もあわせて確認すると良いでしょう。

なお、「管理にかかる重要事項調査報告書」は管理会社が有料で発行しているため、すべてのマンションについて「管理にかかる重要事項調査報告書」を事前に確認することは難しいです。

調査報告書の発行依頼費用は仲介会社が負担しますので、お客様に費用を請求することはありません。

内覧してみて購入を具体的に検討したいマンションが見つかった場合などは、仲介会社に報告書の手配を依頼して「管理にかかる重要事項調査報告書」を必ずチェックするようにしましょう。

まとめ

せっかく購入するマイホームであれば、長年住み続けるつもりでマンション探しをされているお客様も多いと思いますが、毎月支払わなければならない管理費の値上がりは影響が大きいです。

そして、将来の負担の増加について想定していなかった場合、少し大げさな言い方をすれば人生設計まで変わってきてしまうかもしれません。

人生には想像できなかったことが起こるものではありますが、正しい知識と情報を提供をしてくれる不動産会社を選ぶことも、リスク回避のために大切なことだと思います。

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