住宅ローン審査前に自動車ローンを組まないほうが良いケースとその理由

お子様が生まれた時などは、新築一戸建てを買いたいタイミングと、自動車を買いたいタイミングが重なってしまうことがあるかもしれません。

新築一戸建ても自動車も高額ですから、どちらもローンを利用して買いたいと考える方は多いと思います。

そんな時、先に自動車をローンで購入したら、住宅ローン審査に影響はないか気になりませんか?

先に自動車を購入して、その自動車ローンが残っている場合は、住宅ローンの借入可能額が減額されることもあるので注意しましょう。

自動車ローンは、マイカーローン、オートローンと呼ぶこともありますが、ここでは自動車ローンと呼ぶことにします。

目次

住宅ローンの借入限度額の計算方法

金融機関によって計算方法などは異なりますが、【フラット35】の住宅ローンを利用する場合で考えますと、年収450万円の方であれば、その年収の35%以下の額であれば住宅ローンの返済に充てることが可能だと考えられています。

具体的には、450万円×35%÷12か月=131,250円になりますので、年収450万円の方は毎月131,250円までなら住宅ローンの支払いができると金融機関は考えます。

そして、審査金利を1.9%、返済期間35年、元利均等返済とすると、100万円あたりの毎月返済額は3,261円なので、毎月返済可能額131,250円÷3,261円=約4,020万円が住宅ローンの借入限度額という計算になります。

自動車ローンが残っていると借入限度額が減額される

誤解されている考え方として、「自動車ローンの借入残高が50万円だったら、年収450万円の方の住宅ローン借入限度額は4,020万円-50万円=3,970万円になるのではないか」というものがありますが、これは金融機関の考え方とは違います。

年収450万円の方が毎月5万円の自動車ローンを払っている場合、毎月の住宅ローン返済可能額を131,250円-自動車ローン50,000円=81,250円として計算することになるため、81,250円÷3,261円=約2,490万円が住宅ローンの借入限度額という計算になります。

そのため、自動車ローンの借入残高がたった50万円でも、住宅ローン借入限度額は1,530万円も減額されることになるのです。

上記の場合で、もし2,490万円以上の住宅ローンを利用したいと考えるのであれば、住宅ローン審査前に自動車ローンを組まないほうが良いケースと言えるでしょう。

自動車ローンを一括返済すれば住宅ローン審査には影響しない

住宅ローン審査の際、自動車ローンが残っていることを申告したうえで、「住宅ローンのお借入前に自動車ローンを一括返済する予定がある」と申し出れば、住宅ローンには影響なく審査を進めることができます。

もし、住宅ローンを最大限度額で利用したいと考えているようであれば、自動車ローンの返済明細表で残りの残債を確認し、一括返済できるか検討してみましょう。

また、自動車ローンが残っている場合は一括返済するしないにかかわらず、返済明細表のコピーを金融機関に提出しなければなりませんので、返済明細表を探しておくか、もし紛失してしまっているようであれば再発行手続きを依頼するなどして準備しておきましょう。

なお、一括返済するタイミングとしては、住宅ローンの事前審査及び本審査がOKになってからで大丈夫ですので、あわてて住宅ローン審査中に一括返済する必要はありません。

住宅ローン借り入れ後の自動車ローン審査は比較的通りやすい

自動車ローンを利用する場合、ディーラーローンや自社ローンであれば、金融機関からの借り入れよりも審査は通りやすいと言われています。

ただし、必ずしも住宅ローン借り入れ後に自動車ローンの希望額を借り入れできるかの保証はありませんので、住宅ローンの利用を優先するか、自動車ローンを優先するかについては慎重に検討しましょう。

カーリースも住宅ローン審査に影響する

「カーリースの場合、ローンで車を買うわけではないので住宅ローンの審査には影響しない」という説明でカーリースの契約をさせる会社があるようですが、実際には住宅ローン審査に影響します。

カーリース契約であっても、3年間や5年間など一定の期間で支払い義務が生じる契約になりますので、住宅ローン審査においては自動車ローンと同じ扱いになります。

また、カーリース契約では基本的に契約期間中の解約は認められていなかったり、解約できたとしても損害金を支払わなければいけないという契約内容になっている場合が多いです。

そのため、自動車ローンであれば一括返済さえすれば住宅ローン審査に影響しないのですが、カーリースの場合は解約のハードルが高く少々やっかいです。

自動車ローンで車を購入するよりカーリースのほうがお得という話を聞くことも多いと思いますが、簡単にはリース契約を解除できないということを理解しておきましょう。

まとめ

・自動車ローンの借入額(借入残高)がそれほど大きくなくても、毎月の自動車ローン返済額が大きければ、住宅ローン借入限度額は大幅に減額される。

・自動車ローンが残っていることを申告したうえで、「住宅ローンのお借入前に自動車ローンを一括返済する予定がある」と申し出れば、住宅ローンには影響なく審査を進めることができる。

・住宅ローン借り入れ後の自動車ローンの審査は比較的通りやすいと言われている。

・カーリース契約であっても、一定の期間で支払い義務が生じる契約のため、住宅ローン審査においては自動車ローンと同じ扱いになる。

・カーリース契約では基本的に契約期間中の解約は認められていなかったり、解約できたとしても損害金を支払わなければいけないという契約内容になっているので注意が必要。

住宅も自動車も、それぞれ購入したいタイミングがあるとは思いますが、ほぼ同時でローン利用するのであれば、どちらを優先させるかを慎重に検討されることをおすすめします。

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